イランイランの香りの効果と効能！成分や使用方法を紹介

特徴的な花の形と、他にはない甘く濃厚な香りを持つ「イランイラン」。熱帯地域にて栽培されるイランイランは、その甘い香りに古くから「催淫効果」があるとも考えられており、新婚初夜のベッドに花びらを散らせるなどロマンチックな使い方もされてきました。

現在でも特徴的な香りが広く愛され、香水やルームフレグランスとして多く採用されています。また香りに含まれる芳香成分の研究が進んだことで、様々なシーンで使いやすい香りとしても親しまれています。そんなイランイランには、実際のところどのような効果が期待できるのでしょうか。

本記事では、イランイランの基本情報から、気になる香りの効果・効能まで詳しくご紹介いたします。

イランイランの香りの特徴

イランイランの香りの系統は「フローラル系」または「エキゾチック系」です。南国の花に共通する温かみや柔らかさを覚える花の香りといえるでしょう。

イランイランのアロマは実に24時間もの時間をかけて抽出するとされます。この抽出時間によって4つのグレードがあり、グレードによって香りの傾向が異なります。イランイランの香りが苦手だと感じたことがある方は、グレードを変えることで香りの感じ方が変わることもあるかもしれません。

エクストラ	始めの1～2時間の間に抽出されたアロマ。甘い香りが強くイランイランのアロマの中では最も高品質・高価格のアロマとされます。
ファースト	エクストラを抽出した後、3～4時間の間に抽出されたアロマ。ファーストまでは甘い香りが強く、安息香酸ベンジルなどエステル系の成分を多く含むとされます。
セカンド	ファーストを抽出した後、6時間程度の間に抽出されたアロマ。甘さが控え目になり濃厚さが目立つ香りになります。含まれる成分はエステル系よりセスキテルペン系が強くなるとされます。
サード	セカンドを抽出した後、最後に抽出されるアロマです。香りの傾向はセカンドと同じく甘さは控えめ、セスキテルペン系の成分が豊富になるため、ホルモンバランスの調整などの作用が出やすいとされます。
コンプリート	全てのグレードをミックスしたアロマ。香りのバランスがよく、さまざまなシーンで使いやすいグレードとされます。

イランイランの芳香成分

イランイランに含まれる主な芳香成分は、「リナロール」「ゲラニオール」「安息香酸ベンジル」「β-カリオフィレン」などが挙げられるでしょう。ゲラニオール、安息香酸ベンジルは基本的にフローラルな甘さや華やかさを感じさせる香りを持ちます。

一方β-カリオフィレンとリナロールはハーバル系、ウッディ系のような、雨上がりの草原を思わせるような、一種独特の「青さ」を覚える香りです。これらの芳香成分がうまく組み合わされることで、イランイラン特有の温かみや甘さを覚える香りでありながら、どこか爽やかさを感じる香りに仕上がっているのでしょう。

含まれる芳香成分が多岐にわたることから、香りに期待できる効果も幅広いと考えられます。

イランイランの基本情報

学名/科名	Cananga odorata/バンレイシ科
花言葉	乙女の香り・誘惑
精油名	イランイラン
抽出部位	花部分
抽出方法	水蒸気蒸留法
香りの強さ	強め
ノート	ミドル～ベース
主な産地	ヒマラヤ～オーストラリアなど
注意事項	降圧効果があるとされるため低血圧の方は使用不可

イランイランの効果と効能

複雑な香りを作り出すイランイランは、豊富な芳香成分を含んでいるからこそだと分かりました。ではこれら芳香成分を含むイランイランには、どのような効果・効能が期待できるのでしょうか。ここから詳しく解説していきます。

心を落ち着かせるリラックス効果

イランイランの甘い香りは心を落ち着かせ、リラックス効果を得られるといわれています。実際に複数の実験でイランイランを用いたところ、個々人の印象だけではなく、心理検査による疲労感の減少など実際的な数値でリラックス効果が見られるとした結果（※1）が示唆されています。

なおどちらのアロマにも「リナロール」と呼ばれる芳香成分が含まれていることから、芳香成分によってリラックス効果が見られるのではないか（※2）とも考えられています。リナロールはイランイラン、ラベンダーの他にも様々なアロマに含まれているため、比較的好きな香りでリラックス効果を実感できるかもしれません。

女性ホルモンの調整

イランイランに含まれる「β-カリオフィレン」には、女性ホルモンを調整し、女性の生理時に特有の「PMS」を軽減させる効果があるとされます。イランイランに含まれるβ-カリオフィレンの香りをかいだ後、親しみ、やる気、幸福感、疲労感、眠気の数値を測ったところ、眠気以外に有意な差が見られた（※3）と示唆した実験があるのです。

疲労感を軽減し、幸福感が増すとすれば、憂鬱な時期も比較的元気に過ごせるのではないでしょうか。また女性ホルモンを調整するとされることから、肌荒れの改善などにも効果があるのではと考えられています。甘く芳しい香りであるイランイランは、女性にとっての強い味方にもなってくれるでしょう。

動脈機能の改善効果

イランイランの香りを活用することで、動脈機能が改善できるのではないかという考えも示唆されています。日本アロマ学会が行った実験では、イランイランの香りがある状況下で、収縮期血圧（1）の低下、脈波伝播速度（2）の顕著な低下が確認されたのです。

イランイランの効果の一つである、リラックス効果によるものではないかと考えられています。ただし、まだ詳しいことは研究中だと言えるため、期待できる効果の1つとして考えておくと良いでしょう。実際に動脈硬化の改善が必要だとされる方は、まず医師の診断を仰いでください。

（1）心臓が血液を送り出す際（収縮した際）の血圧
（2）心臓から拍動が伝わる速度、早いほど動脈の硬化が進んでいるとされる

イランイランを用いる際の注意点もチェック

様々な効果が期待できるイランイランですが、確かな効果が期待できるということは、反対に副作用や禁忌もあると考えられます。正しくアロマを用いるためには、よい面だけに注目するのではなく、注意点も正しく把握しておかなければなりません。

ここではイランイランのアロマで気を付けるべき注意点について確認していきましょう。

• 香りが強いため最初は少量から試す
• 降圧作用があるため、低血圧の方・血圧に関する薬を摂取している方は避ける
• 女性ホルモンに作用するとされるため妊娠中初期の方は避ける
• 刺激が強いことがあるため、敏感肌の方は要注意
• 鎮静のほかに興奮の作用があるとされるため、運転中は避けた方がベター

ざっと上げただけでも、上記のような注意点があります。特にPMSへの高い効果が期待できるため、日常的に利用したいと考える方も多いでしょう。しかし気付かないうちに妊娠をしていたというケースも考えられます。すぐに危ないとされるわけではありませんが、日常的に利用している場合はより注意が必要です。

またイランイランに限らず、アロマに含まれる芳香成分は実際に効果があると徐々に解明されています。上記でも軽く触れたように、実際の効果があるということは、使い方を誤れば害になることも考えられるのです。正しく効果を実感するためにも、推奨されている以外の使い方をしない、適量を守るなど基本的な点から注意するよう心掛けてください。

イランイランの香りのおすすめの使用＆摂取方法

イランイランの香りの効果効能、注意点を分かった後に気になることといえば、実際にどのように利用すべきなのかといった点でしょう。リラックス効果など、汎用性も高いとなれば利用できるシーンも多岐にわたります。そこでここでは、イランイランの香りのおすすめの使用法・摂取方法についてご紹介いたします。

いつでも香りを楽しめる「香水」

最も手軽かつ、いつでもイランイランの香りを楽しめる方法が香水の利用です。イランイランは香りが強いこともあり、多くの香水でベースノートとして利用されています。有名どころでは「シャネルNo.5」でもイランイランが利用されているので、香水自体を見つける際にも迷うことが少ないでしょう。

腰やくるぶしのあたりに軽く1吹きするだけで、特有の甘く濃厚な香りを楽しめます。ここまで何度か触れてきたように、イランイランの香りは強めなため、付けすぎには要注意です。また季節によって香りの感じ方も異なるため、冬場は既定の量でOKですが、夏場などは少し軽めに付ける方法がおすすめになります。

お手入れの時間が楽しくなる「練り石鹸」

手作りの石鹸にイランイランのアロマオイルを混ぜることで、香り高い練り石鹸を作成することが可能です。手を洗ったり洗顔時に利用したりすることで、イランイランの甘い香りと共にスキンケア効果を実感できるでしょう。

石鹸素地を利用すれば、廃油を使った石鹸づくりよりイランイランの香りをそのまま堪能できます。作り方も非常に簡単なため、イランイランのアロマが手元にある際にはぜひチャレンジしてみてください。

1. 石鹸素地とぬるま湯をポリ袋内で混ぜ、石鹸素地を柔らかくする
2. 石鹸素地が柔らかくなったら、アロマオイルを入れ全体に混ぜる
3. 成形できる硬さまで練ったら、形を整え乾燥させて完成

石鹸素地はドラッグストアや通販で気軽に購入できます。オリジナルの石鹸を作ってみたい、イランイランの香りの石鹸が欲しいと感じた際に挑戦してみましょう。

空間全体にイランイランの香りを「アロマディフューザー」

イランイランの香りに期待できる効果効能を効率よく摂取したいと考えるのならば、一押しになるのが「アロマディフューザー」の活用です。特にネブライザー式のアロマディフューザーであれば、毎日わざわざスイッチを入れる必要もなく、空間に合わせたベストな濃度の香りを楽しめるようになるでしょう。

イランイランは何度か触れてきたように、濃度調整が少し難しい香りです。好き嫌いも別れやすいため、濃度が高すぎるとリラックスするどころか、反対に頭痛の原因になってしまうことも考えられます。だからこそ、空間に香りを拡散させる際には、少しの慎重さも必要です。

ネブライザー式のアロマディフューザーであれば、濃度を気にしないまま、空間全体を心地よい香りで満たすことが可能です。リラックス効果を実感するには、空間に入った瞬間から心地よい香りを感じることも重要です。アロマディフューザーを用いて、癒しの空間を作り上げましょう。

まとめ

今回は甘くエキゾチックな香りの「イランイラン」について、香りの特徴から期待できる効果・効能までご紹介してきました。名前こそそこまで知名度が高い植物・アロマではありませんが、実際に香りをかいでみれば覚えがある方も多い香りだと感じます。

人気が高い香りであり、特に女性にとっては様々な場面で活用したい有能なアロマです。しかし香りが強いからこそ、上手に使うには難しいと感じる面もあるでしょう。

「イランイランの香りでリラックス効果を実感したい」「女性が多い職場なのでイランイランを取り入れてみたい」上記のようにお考えの際には、香りのプロフェッショナルを抱える弊社にお気軽にご相談ください。イランイランの良さを引き出しつつ、万人受けしやすい香りの取り入れ方までご提案いたします。