【経緯】
北陸地方で昨年竣工した老人保健施設で、竣工直後から2部屋で、ガス臭と例えられる異臭が発生。
ガス会社も調査したが、問題は見当たらず。
でも常時ガス臭の様なにおいが鼻をつき、施設側は建築会社へ何とか調査して欲しいとなり、カルモアへ依頼をいただきました。

昨年、竣工した老人保健施設で異臭が発生しました。

その異臭は、誰が嗅いでも「ガス臭」と判断するような臭気でありました。
しかし、付近にガス管は通っておらず、それでもガス会社に調査を依頼して、
調べて貰ったところ、ガス漏れは無いとの事。

関係者は困り果てて、カルモアへ相談が来ました。

今回、カルモアとしては、ガス臭に例えられる原因臭気には、排水臭に含まれるメルカプタン系臭気がある為、排水系統の配管漏れによる臭気発生を疑い、「侵入経路調査」を提案しました。

侵入経路調査については、こちらよりご参照下さい。

センサー設置状況

しかし、結果として、配管関係からの漏れは無く、別に原因があると判断しました。

次に疑ったのは建築材料によるものとなるのですが、
一般的な建築材料からガス臭のような臭気を生成する事例は、
カルモアの過去の実績でも経験のない事であり、非常に難航した調査となりました。

臭気確認状況

その異臭が発生している付近で使われている建築材全ての材料、原料を調査し、
放散、化学反応が起こりうる可能性を導き出し、ガス臭と例えられるような物質があるかを徹底的に調査しました。

すると、ある条件下でガス臭と例えられるメルカプタン系臭気を生成する可能性を発見し、
その実証を行う為に、各種分析や検証を行ったところ、見事に再現が出来ました。

詳細なメカニズムはノウハウになるので、ここでは記載出来ないのは残念ですが、
カルモアでも前例が無かった事象ではあり、これでまた一つ、大きな知見とノウハウを手にする事が出来ました。

このように臭気調査の原因究明は簡単ではありません。
原因一つ一つが、違った条件下で起こりうる事を我々は知っているからこそ、
同じにおいであっても、方法を変え、検証を繰り返し行うのが、本物の臭気判定士であり、
最前線で活躍出来ると考えています。

キーワード：　におい　調査　臭気判定士　侵入経路調査

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