臭気判定士とは?仕事内容や資格の特徴・年収まで徹底解説!
臭気判定士は工場やオフィスをはじめ、あらゆる施設・地域社会で発生するニオイトラブルに対応し、科学的かつ感覚的にニオイを測定・改善する専門職。
「ニオイのプロフェッショナル」として、近年ますます注目を集めている国家資格です。
このページで解決できること!
「臭気判定士とは?人数や年収などを紹介!!」
「臭気判定士の資格の取得方法を解説!」
「臭気判定士の仕事内容を紹介!」
「臭気判定士の試験内容を紹介!」
「臭気判定士に関するよくある質問を紹介!」
上記の順番で、臭気判定士の基礎知識から仕事内容、年収、試験内容まで、これから臭気判定士になることを目指して、資格取得を検討したい方に向けてわかりやすく解説します。ぜひ参考にしてください!
臭気判定士とは?
臭気判定士を一言で表すと、「嗅覚測定を行うための国家資格」。具体的には、悪臭防止法にもとづいてニオイを評価・測定する国家資格です。
現地での臭気測定や苦情調査、分析結果の報告、さらには改善策の提案までを行うことで、快適な職場環境・生活環境の維持に貢献しています。
全国で約2万件以上も発生している悪臭苦情を解決させるために、企業や自治体、施設運営者の“第三者的な立場”として、科学的な視点からニオイ問題を明らかにする存在として欠かせない資格といえます。
臭気判定士は国家資格
臭気判定士は、臭気環境分野において初めての国家資格です。環境省が定めた悪臭防止法に基づき、公益社団法人におい・かおり環境協会が臭気判定士試験及び嗅覚検査の実施を運営しています。
悪臭問題に対応する場面では、調査や報告において臭気判定士の資格を持った専門家の関与が必要となるケースもあるため、法令上の役割も非常に重要です。

初めて知った方も多いと思うのですが、実は国家資格です。工場や施設などから排出される悪臭、換気や吸気により侵入してくる臭気など幅広い問題解決に必要となる資格です。
臭気判定士は全国で何人いるか
環境省の発表によると、全国の臭気判定士免状所有者数は3,352名(令和6年3月31日現在)。
環境や臭気対策に関心のある技術者・行政関係者のほか、民間企業の品質管理部門や設備管理に携わる方が多く取得している資格です。
取得者数こそ限られていますが、専門性が高く、現場ニーズが年々拡大している資格です。

資格の取得者数は限られていますが臭気問題が発生する以上必ず必要な資格です。特に近年ニーズが高くなってきており、専門業者において重宝されている資格となってます。
臭気判定士のやりがい
目に見えないニオイを数値化・分析することで、ニオイで困っている方々の問題解決に直接つなげられることが最大のやりがいといえるでしょう。
対策の結果、住民からの苦情が減った、職場環境が良くなったといった喜びの声を受けることで、自分の仕事の影響力を実感できる場面が多くある仕事です。
また、環境・安全・品質といった多くの分野に関わるため、キャリアの幅が広がる専門職としても注目されています。

臭気問題を解決する=環境問題や公害を解決することに繋がるので、安全性や快適性を守っているというやりがいがあります。またご依頼頂く企業が工場やビルを所有している大手企業となるので、社会問題となる大規模な課題を解決する達成感あります。
臭気判定士の仕事の大変なこと
現場作業が多いため、天候や作業環境の厳しさに直面することがあります。また、官能試験では嗅覚が必要になってくるため、風邪などをひかないようにするなどの体調管理も大切です。
さらに、ニオイの強さや原因を数値や言葉で「客観的に伝える」力が求められます。感覚とロジックを両立させることが、この仕事の難しさでもあり奥深さとも言えます。

前述した通り、大規模な案件が多いのでチームワークも重要となります。また臭気判定士としての知識だけでなく、問題解決のための薬品や脱臭装置、設備、建物の構造、周辺環境などのノウハウも必要なため合格してからも、技術を磨く必要があります。
臭気判定士の年収
臭気判定士の年収は、おおよそ350〜500万円程度が目安です。中には、臭気判定士の資格を持ち、かつオンリーワンの技術やノウハウを持つことで、1000万円を超える収入を手にする方もいます。
また、現場経験を積み、コンサルティングや改善提案まで担えるようになると、年収アップや役職昇格に直結するケースも見られます。
そのため考えたり工夫したりしながら行動するのが好きな人、積み重ねによりキャリアアップしたい方に向いている資格となります。

臭気判定士として資格を取得するだけとなると年収350~500万円が目安となりますが、技術を磨きノウハウの取得や営業スキルなどを向上させることで、1000万円以上超える収入となることもあります。
臭気判定士の資格の取得方法
次に、国家資格である臭気判定士の資格はどのように取得できるのかをご紹介します。
臭気判定士試験の受験科目
筆記試験と官能試験で構成されており、以下の分野が問われます。
- 臭気の基礎知識(化学・測定法)
- 悪臭防止法や関係法令
- 測定計画の立案
- 臭気指数の算出方法
- 官能試験(ニオイの強さの判別)
臭気判定士試験の受験資格
特別な資格や実務経験は不要です。学歴も関係なく、18歳以上であれば誰でも受験可能です。ただし、嗅覚のテスト(官能試験)を含むため、一定の嗅覚機能が求められます。
「鼻が良い人じゃなければなれない」と思う方も多いですが、一般的な嗅覚があれば問題なく、嗅覚のテストにおいては90%近くの方が合格しています。
臭気判定士試験の合否判定
筆記・官能試験ともに、基準点をクリアする必要があります。片方だけ合格しても資格は取得できません。
筆記試験においては、合格するためには総合得点率70%以上、各科目別最低得点率35%以上。筆記試験に合格後、嗅覚検査(一般的な嗅覚を持ち合わせているかどうかの検査)を経て、晴れて臭気判定士となります。合格率は、毎年20%前後です。
臭気判定士の試験内容まとめ
試験日程 |
年に1回、毎年10月頃に実施。日程は例年、年度末または年度初めに公表されます。 |
試験地 |
東京・大阪・愛知 |
試験科目 |
嗅覚概論、悪臭防止行政、悪臭測定概論、分析統計概論及び臭気指数等に係る測定の実務 |
受験資格 |
制限なし(18歳以上であれば誰でも受験可) |
合格率 |
25.6%(令和6年度) |
合格基準 |
筆記・嗅覚試験の両方に合格する必要あり☑︎: |
臭気判定士の仕事内容を紹介
臭気判定士の主な業務は様々となりますが、まとめると以下の通りとなります。
- 臭気測定(官能試験・機器分析)
- 臭気分析・原因特定
- 苦情への対策・現地調査
- 脱臭対策の提案
- 測定報告書の作成
このあと詳しく紹介しますが、ニオイという“感覚的”な対象を、科学的な観点からも測定・評価し、その上で対策の提案までも行う仕事です。
ここからは、実際の現場で臭気判定士がどのような業務を担っているのか、より具体的に見ていきましょう。
臭気測定
臭気判定士の業務の中心となるのが、現地でのニオイ測定です。官能試験では人の嗅覚を使って、希釈倍率をもとに「臭気指数」を算出します。一方、機器測定では化学分析によってニオイ成分を数値化し、客観的なデータとして活用します。
測定精度が高ければ高いほど、その後の分析や対策提案も的確になります。測定の正確さは、業務全体の信頼性を左右する重要な工程です。

臭気苦情は人の感覚によるところが大きいので、機器分析ではなく臭気判定士が行う『嗅覚測定法』が臭気測定の主流になってます!
臭気分析
測定結果をもとに、どの成分が主な臭気原因になっているのかを特定します。例えば、アンモニア、硫化水素、トリメチルアミンなど、特定悪臭物質の有無や濃度を判断し、それがどこから・なぜ発生しているのかを明らかにしていきます。
データの解釈には、知識と経験の両方が求められる場面が多く、原因を見抜く力はまさに「ニオイのプロフェッショナル」としての腕の見せどころです。

臭気の強さではなく、臭気がどこから?なぜ発生しているか?を分析。原因を追究することで根本からの解決策を提案します。
苦情への対策
工場や施設周辺の住民から「ニオイがする」との通報があった場合、原因調査や現地確認を行った上で、企業や行政への説明資料を作成します。
中立な第三者として関係者の間に入り、感情的になりやすい問題を科学的な視点で冷静に整理するのも臭気判定士の重要な役割です。
場合によっては住民説明会や行政指導の場に同席することもあり、技術者としての知識だけでなく、対話力や信頼性も求められます。

あくまで第三者目線で臭気を科学的根拠を用いて、「数値化×ミエル化」することで報告書などの材料となる情報をお渡しさせて頂きます。
\臭気の数値化×ミエル化で苦情の原因と解決策をご提案/
改善策の提案
分析結果に基づき、ニオイを低減させるための具体的な対策を提示します。たとえば、排気ルートの見直し、脱臭装置の選定、換気設備の強化など、それぞれの施設の特性に応じた実用的な対策を設計します。

弊社の場合は臭気の測定や分析だけでなく、その後の対策までワンストップで可能となっています。原因を追究して終わりではなく、原因の根本から解決するのも臭気判定士の役割の一つです。
臭気判定士についてよくある質問
まとめ
臭気判定士は、ニオイに関する課題に対し、測定・分析・改善を行う専門家として活躍する国家資格です。工場や処理施設だけでなく、オフィスや商業施設においてもニオイ対策の必要性が高まっており、社会的ニーズが拡大し続けています。
一般的な知名度が高くない国家資格ではありますが、環境・品質・衛生といった複数の分野にまたがるこの仕事は、やりがいも大きく、スキルアップにもつながります。
ニオイに関する問題を解決することで、地域社会に貢献したいという思いを持つあなたにこそ、ぜひ挑戦してほしい資格です。
弊社臭気判定士のご紹介

臭気判定士
富樫 真生
Mao Togashi
理系大学卒業後、株式会社カルモアへ入社。
国家資格「臭気判定士」免許を有し、年間数百検体の臭気測定を行う。
主に消臭剤やニオイセンサー(臭気測定器)の開発、産業工場の臭気対策コンサルテーション業務に従事し、悪臭対策の専門家として日々活躍中。
保有資格:臭気判定士(国家資格)、におい・かおり環境アドバイザー 他

臭気判定士
三宅 春輝
Haruki Miyake
理系大学卒業後、カルモアに入社。
学生時代を故郷愛媛で過ごし、町工場などのニオイ問題を解決したいと思い、臭気対策コンサルタントの道へ。
現在は国家資格「臭気判定士」を有し、日本全国で産業工場の臭気対策に従事しながら、ニオイセンサーのプロマネとして開発に携わる。 趣味は鮎釣りと料理。余談だが「調理師免許」も持っている。
メディア出演実績
テレビ・CM/広告
- NHK総合「あしたが変わるトリセツショー」
- NHK「ひるまえほっと」
- NHK大阪放送局「ニュースほっと関西」
- テレビ東京「よじごじDays」
- フジテレビ「ハピふる!」
- フジテレビ「人生の正解TV~これがテッパン!~」
- TBS「おーくぼんぼん」
- TBS「この差って何ですか?」
- TBS「ゲンキの時間」
- TV神奈川「ニュースハーバー」
- BS-TBS「Quality of life」
- BSスカパー「モノクラ~ベ」
CM・広告
- TVCM ヒルナンデス
P&G 置き型ファブリーズ - 電車内CM P&G
車用ファブリーズ - ユニクロ エアリズム
web・店内CM - ニコニン薬用マウスウォッシュ
雑誌・書籍
- 晋遊舎「LDK the Beauty」
- カタログハウス「通販生活」
- 宝島社「smart」
- 日之出出版「FINE BOYS plus BEAUTY」
- 大日本絵画「アーマーモデリング」
- 日本畜産振興会「養豚の友」連載
- 日本畜産振興会「養鶏の友」連載
- 月刊技術誌「クリーンテクノロジー」
- 月刊「塗装技術」
製品試験・評価の協力
- P&G においと子供の集中力に関する試験
- においかおり環境協会 臭気対策セミナー 講師
カルモア臭気判定士YOUTUBEチャンネル
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