僕たちは春の中で、桜が散りゆく街を眺めながらとても心を痛めていて。
この厳しい時代に仕事をやっていると、人の心の哀しさに触れる瞬間が何年かに一度かあって。
人の事業の真似しかできない寂しい人。
共に支え合った人を簡単に裏切る愚かな人。
人の道に外れてまでして掴んだお金は簡単に離れていくのに。
そしてあなたは自分の人生まで手放すのか。
過ちをいつまでも繰り返す。
自分のくだらない欲望のために、妻も会社も共に闘った仲間すら捨てる人は、そんなものよりはるかに大事なものがこの世にたくさんあることをまったく知らない。
春の中のとても悲しい闘い。
だけど、命の輝き、情熱の炎、深い愛情。
僕たちの鮮烈なまぶしさを見せてあげよう。
それが僕の最後の恩返し。
あなたは今の僕のように輝けたはずだ。
だけど、あなたは暗闇に生きることを自ら選んだのだ。
だけど、人はなぜいつもこんなに悲しいものなんだ?
この先50億年しかない地球の未来を考えれば、僕たちの人生など、人の一生のたった一回のまばたきのみたいなものであろう。
その短い一瞬ですら、腐り、奪い、憎み、恨む人間。
その愚かさに僕は若くして絶望した。
だけど、その絶望の中からつかんだ無情の人生観が、皮肉にも僕を押し上げ、今の僕を生み出し、これからの人生を生み出していくんだろう。
そしていつかまた悲しみに触れて。