お客様の要望vs社員の健康
2006.10.06
カテゴリー:
- 会社経営のこと
10月になって、いきなり殺人的なスケジュールになった。
趣味である釣りに10月は最も力を入れたいというのに、それも立ち行かなくなってくる。今年もあんまり釣りに行けそうもないのが切なくて哀しい。
建設業界も産業界も好況に沸いているが、ようやくその流れが環境分野にも流れてきているのだ、とひしひし感じる。
特に産業界からの依頼は恐ろしいほどの量で、産業界を担当しているコンサルタントチームは殺人的なスケジュールの中、必死に頑張ってくれている。我が社が開発した臭気対策コンサルテーションは、今や大企業の環境部門の人に大人気で、それもなんと口コミで広がっているような状態。
例えば、一社の製鉄工場をやると、なぜかその他の会社からも依頼が来る状態。普通、同業の競合にそんな情報を流すだろうか。普通じゃない。
問題は我が社の人材が育ちきっていないということ。依頼を最終的に実施できるのが我が社しかなく、人員も限られているので、今や2ヶ月待ちの状態である。
せっかく世界クラスの大企業からやんややんやと、依頼が殺到してくる状況は、もう少し人を増やすなどして、どうにかならないのかと思う。
けれど、なかなか臭気対策という分野は人を入れて、すぐにどうにかなる世界ではない。一人前のコンサルタントになるのに、超優秀な人間で5年かかる。並の人間なら7年くらいでようやく一人前になれるほとんど匠の世界である。
しかし、忙しいから仕事ができない、というのは結局、他の会社にチャンスをみすみすあげてしまうことになる。今は他の会社にできなくても、経験を積ませてしまうということは長い先を思えばマイナスである。
だからといって、無尽蔵にやれば社員は疲れ切ってしまう。
何とか必死にお客さんを留保しつつ、時間を稼ぐ。
しかも、お客さんはどんな手を使ってでも、我が社に少しでも早くやってもらおうと圧力を掛けてくるのである。
脅しや政治的な圧力は、性格的にビクともしないし、そういうことをする人間が嫌いだ。それを言った瞬間に、「それならどうぞ」で一番後回しに決定しちゃうのだけど、泣き落とし作戦は性格的に弱い。
なんとかしてあげたいが、なんともならない。
チームメンバーの健康という防波堤になるのが、マネージャーである。
かといって自分が無理すれば、ということでかつて倒れたこともあるので、その板挟みの中で胃が痛くなる。
もっと力があれば・・・。