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臭気判定士の激闘

創業30年、実績90,000件以上。カルモア臭気判定士によるニオイの現場レポート。

OA(外気取入口)から侵入する臭気の対策方法 6種類 の紹介

(作成日 2022.2.20)

近年、「オフィスやビルに侵入してしまうニオイ」の相談がとても増えています。

「近くにある飲食店の排気臭を、ビルのOAから取り込んでしまう。」

「隣の下水のニオイがオフィス内に漂っている。」など、近隣が原因のものから、

自社ビル内での階層間のニオイの取り込みまで、様々です。

 

特に建築物の密集する都市部では、

隣接するOA取入口から臭気が入り込んでしまうことは多く、

たとえ排出する臭気が規制値を順守していても、

臭気苦情へと発展するケースが少なくありません。

悪臭防止法の規制遵守だけでは、臭気対策が不十分とされるケースです。

 

そこで今回は、OAから取り込んでしまう臭気の対策方法を特集します。

 

目次(このページのコンテンツ)

1. OA臭気侵入でよくある原因

2.OA侵入臭気対策の方法は6種類!

    • 対策案1:OAダクト上に脱臭フィルターを設置
    • 対策案2:熱交換器・エアハンドリングユニットのフィルターを脱臭フィルターに変更
    • 対策案3:OAシャフト間・OAガラリ面に脱臭フィルターを設置

    • 対策案4:SAダクト上に脱臭装置を設置

    • 対策案5:室内に脱臭装置を設置

    • 対策案6:換気口ガラリ・アネモ吹出口に脱臭フィルターを設置

3.OA侵入臭気対策の詳しい解説

4.対策方法のメリット・デメリット【比較表】

5.設計時におけるOA侵入臭気対策の重要さ

どこから?何の?原因不明の侵入臭気を調査

まとめ

OA臭気侵入でよくある原因

困る作業員OAへの臭気侵入トラブルでは、以下の4つのパターンが良く見られます。

 

①隣接する建物の排気が、OAを介して侵入

②周辺環境(下水処理・野焼き・畜産・工場・排気ガス)の臭気が、OAを介して侵入

③自身の建物の排気が、OAを介して侵入

④住民排出臭気が、換気口を介して他の住居へ侵入

 

近年お問い合わせの多いニオイの種類としては、

厨房臭(レストラン排気)、コーヒー臭、下水のニオイ、酵素風呂のニオイ、などがあります。

 

その多くは、竣工後や近隣環境の変化で臭気苦情が起きたケースで、

設計時には予測が難しい、あるいは臭気が発生していなかった、などのため、

既設備の限られたスペースや条件の中で、対策が求められます。

 

対策方法として最も効果的なのは、「排出している臭気を低減すること」です。

しかし、臭気排出源が必ずしも自社内・自ビル内とは限らず、

近隣との関係維持のためクレームを出せないことが少なくありません。

また、「排出臭気が悪臭規制値を下回っている」「原因の排気口が特定できない」

など、クレームを出しにくい状況もあります。

 

そこで今回は、「排気対策ではなく、OAに侵入した臭気の対策」に的を絞って

弊社で主にご提案している6種類の対策方法をご紹介します。

OA侵入臭気対策の方法は6種類!

6種類の対策方法それぞれに、

コスト・設置場所の条件・サイズなどのメリット・デメリットがありますので、

ご自身の希望や制約条件に最も適した方法を選択します。

各対策方法を、対策場所に示したのが以下の図です。

OA臭気のシステム図

 

  • 対策案1:OAダクト上に脱臭フィルターを設置
  • 対策案2:熱交換器・エアハンドリングユニットのフィルターを脱臭フィルターに変更
  • 対策案3:OAシャフト間・OAガラリ面に脱臭フィルターを設置

  • 対策案4:SAダクト上に脱臭装置を設置

  • 対策案5:室内に脱臭装置を設置

  • 対策案6:換気口ガラリ・アネモ吹出口に脱臭フィルターを設置

 

まずはお気軽にご相談ください。

OA侵入臭気対策の詳しい解説

6種類の対策方法について、具体的に詳しく見てきましょう。

対策案1:
OAダクト上に脱臭フィルターを設置

 活性炭フィルター脱臭装置 

OAダクトに専用ケーシングユニットを据え付け、活性炭フィルターを必要脱臭性能に応じて装填します。

活性炭は臭気分子を吸着するための大小様々な細孔を有するため、幅広い臭気に対し対応可能です。

吸着能力が高く、臭気濃度10(臭気指数10)以下まで脱臭可能な点がメリットです。

 

狂着フィルター

 

参考商品 狂着きょうちゃくフィルター KFシリーズ

狂着フィルター

高賦活の粒状活性炭を不織布に挟み込んだ活性炭シートで、被表面積が大きく圧力損失を抑えられるプリーツ形状に成形。

専用ケーシングユニットのフィルター引き出し方向は、横方向または垂直方向に設計できます。

対象臭気は幅広く、あらゆる臭気にご対応可能です。

 

フィルターサイズ 200角・300角・500角・600角(各50t)
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・厨房臭など
通過面風速    ~2.5m/sec
圧力損失     約60Pa(1枚あたり)

 

対策案2:
熱交換器・エアハンドリングユニットのフィルターを脱臭フィルターに変更

 “超薄型” 活性炭フィルター 

熱交換器・エアハンドリングユニット(AHU)内の既存プレフィルターを、活性炭フィルターに置き換えます。

超薄型活性炭フィルターの適応風速は、熱交換器・エアハンドリングユニット内と同等であるため、フィルター交換以外の負担・不可がありません。

 

フレックスカーボン

 

フレックスカーボン設置イメージ

 

 

参考商品 ≫フレックスカーボン

フレックスカーボン

ペレット活性炭を芯材に固定し不織布で覆ったフィルター。

薄型ではあるものの、多くの活性炭量を含むため、高い脱臭性能を発揮します。

対象臭気は幅広く、あらゆる臭気にご対応可能です。

 

フィルターサイズ 610×305・610×610(各20t)※異形サイズ対応可
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・厨房臭など
通過面風速    ~2.5m/sec
圧力損失     約100Pa(1枚あたり)

 

対策案3:
OAシャフト間・OAガラリ面に脱臭フィルターを設置

 活性炭フィルター・セラミックフィルター 

現場状況・市場状況に合わせて設計製作が行える点がメリットです。

« ご提案例 »

☑ OAシャフトやOAガラリを利用し、脱臭フィルターを設置する。

☑ 通過風速に合わせた専用ケーシングユニット内へ脱臭フィルターを装填する。

☑ 強い厨房臭気でオイルミストを多く含む場合は、

厨房臭気に特化し不燃性素材で構成されたセラミック式脱臭フィルター

を選定することで、高い効果を発揮しつつ、活性炭よりもライフを維持することができます。(油煙・粉塵等の前処理を必要とする場合もあります)

ゼオガイアフィルター
脱臭フィルター
OAガラリに脱臭フィルターを設置した例
OAガラリに設置した例
機械室を脱臭フィルターで区切りOA臭気を脱臭した例
機械室に設置した例

 

参考商品 狂着きょうちゃくフィルター KFシリーズ

狂着フィルター

高賦活の粒状活性炭を不織布に挟み込んだ活性炭シートで、被表面積が大きく圧力損失を抑えられるプリーツ形状に成形。

専用ケーシングユニットのフィルター引き出し方向は、横方向または垂直方向に設計できます。

対象臭気は幅広く、あらゆる臭気にご対応可能です。

フィルターサイズ 200角・300角・500角・600角(各50t)
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・厨房臭など
通過面風速    ~2.5m/sec
圧力損失     約60Pa(1枚あたり)

 

参考商品 ≫厨房臭気対策用ゼオガイアフィルター脱臭装置

不燃性素材で構成されたセラミックフィルターで幅広い厨房臭に特化。臭気苦情の主な要因とされる焼肉や焼魚などの焼き焦げ臭の脱臭も得意とします。

臭気が強い時に吸着し、通過臭気が弱まったタイミングで徐々に臭気を放出することでフィルターへの負荷を低減、交換サイクルが活性炭より長い特徴があります。

フィルターサイズ 300×300×50t
対応臭気 厨房臭(フライヤー臭・焼き焦げ臭・にんにく臭・スパイス臭等)
通過面風速 ~3.0m/sec
圧力損失 約71Pa(1枚あたり)

 

まずはお気軽にご相談ください。

対策案4:
SAダクト上に脱臭装置を設置

 酸素クラスターイオン除菌脱臭装置 

空調機二次側の給気ダクト上に設置(挿入)し、室内給気口から酸素クラスターイオンを供給・拡散することで、ダクト内および室内においてゆっくりと継続的に臭気を酸化分解します。

侵入臭気のみならず室内で発生する臭気も脱臭できるメリットがあり、除菌効果も兼ね備えているため抗ウイルス・除菌対策にも役立ちます。

(空調設備との連動運転にて使用/電源:100V)

 

ライテイ設置イメージ
酸素クラスター除菌脱臭装置”ライテイ” 設置イメージ

 

【OA臭気の対策事例】 
博多座/料理屋のにんにく臭 を見る。

 

参考商品 ≫酸素クラスター除菌脱臭装置 ライテイ(給気ダクト設置型)

空調設備向け レビオン除菌脱臭装置

マイクロプラズマ放電により生成された大量の酸素クラスターイオンが、臭気やウィルスと空気中で接触・反応し、脱臭・除菌・空気汚染物質を分解・除去します。

 

室内有人空間で安全に使用可能です。

ラインナップ ライテイ2400(給気風量:~2,400m3/hr)・ライテイ4800(給気風量:~4,800m3/hr)・ライテイ7200(給気風量:~7,200m3/hr)
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・厨房臭など
通過面風速    ~8.0m/sec
圧力損失     約2Pa

 

対策案5:
室内に脱臭装置を設置

 酸素クラスターイオン除菌脱臭装置 

臭気が感知される室内に、壁付け・天井付け型の酸素クラスター除菌脱臭装置を設置します。

室内に放出・拡散された酸素クラスターイオンが、臭気を常時、酸化分解します。

侵入臭気のみならず室内で発生する臭気も脱臭できるメリットがあり、除菌効果も兼ね備えているため抗ウイルス・除菌対策にも役立ちます。

電源100V・1つで容易に運転できるため、手間のかかる工事が不要です。

 

ピッコロ

シルフィード2

 

参考商品 ≫酸素クラスター除菌脱臭装置 シルフィード(室内設置型)

空気清浄機レビオン(シルフィード2)

マイクロプラズマ放電により生成された大量の酸素クラスターイオンが、臭気やウィルスと空気中で接触・反応し、脱臭・除菌・空気汚染物質を分解・除去します。

 

室内有人空間で安全に使用可能です。

ラインナップ シルフィードmini(容積:60m3)・シルフィード1(容積:110m3)・シルフィード2(容積:220m3)・Piccolo(容積:15m3)
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・弱い厨房臭
圧力損失     なし

 

対策案6:
換気口ガラリ・アネモ吹出口に脱臭フィルターを設置

 “丸形”活性炭フィルター 

丸形ダクト用として、従来対策が困難であった住宅の24時間換気のOA取入口やオフィス等のアネモ吹出口内部へ差し込んで取り付けることが可能です。

比較的安価で取付工事不要のため、個人の方でもお気軽にお使いいただけます。

 

 

【OA臭気の対策事例】 
集合住宅(ベランダ)で吸うタバコ臭の隣接住戸流入対策

 

参考商品 狂着きょうちゃくフィルターφ

狂着フィルターΦ

外側は狂着フィルターと同様のプリーツ形状で、ヒダが密になって抵抗が上昇する中心部分はフレックスカーボンを使用したハイブリッド型です。

 

対象臭気は幅広く、あらゆる臭気にご対応可能です。

 

フィルターサイズ φ98×25t・φ148×25t
対応臭気     たばこ臭・排水臭・ゴミ臭・野焼臭・畜産臭・厨房臭など
通過面風速    ~1.0m/sec
圧力損失     約10Pa(1枚あたり)

対策方法のメリット・デメリット【比較表】

各対策方法の、仕様・イニシャルコスト・メンテナンス(作業内容・頻度・メンテナンスコスト感)・メリット・デメリット等を比較した比較表が以下です。

OA対策比較表
※画像クリックで拡大表示します

 

設計段階の場合は、イニシャルコストを抑えつつ付帯工事の少ない【対策案1】OAダクトに活性炭フィルター脱臭装置を取り付ける方法 が最も採用されます。

 

また、竣工後の対策の場合で、OAダクトへの設置が難しい場合は、【対策案2】熱交換器やエアハンドリングユニット内に取り付けられる薄型の活性炭フィルターをプレフィルターに置き換える方法 が喜ばれます。

 

このように比較的安価で脱臭性能の高い「活性炭」を用いることが一般的ですが、取付位置に制限がある場合、弊社ではセラミックフィルターや酸素クラスターイオンなど他の脱臭方式をご提案することも少なくありません。

 

まずはお気軽にご相談ください。

設計時におけるOA侵入臭気対策の重要さ

ニオイは臭気物質によって分子量やにおいを感知する閾値が異なる性質をもち、排出状況(風量・温度・方向)や大気状態、建物の立地環境など様々なファクターにより臭気拡散度と流入経路が異なるため、知見とノウハウがあり対策経験が豊富なニオイの専門会社へご相談の上臭気侵入の可能性を想定しておくことが重要です。

 

︎⚠︎ 設計段階で臭気対策を検討しない場合、以下のリスクが考えられます。

 

①ブランドイメージに傷が付く

OAからの侵入臭気は、自身は被害を受けている側であるにも関わらず「くさい建物」「くさいテナント」として顧客からのクレームの対象になりかねません。SNSで簡単に悪評を書き込まれることもあり、思わぬ形でブランドイメージに傷がつき事業継続の阻害になるリスクがあります。

②最善の対策措置が取れない

臭気苦情の解消には、脱臭性能が確かな設備を選定すべきです。

しかし、脱臭装置の設置スペースや取付位置までのアクセスルートを確保していないと、脱臭効果があまり期待できなくコストメリットがない対策方法を取らざるを得ません。

もしもの事態を想定しておくことで、いざというとき、低コストで脱臭効果の高い対策方法を選択することができます。

③労力と損害が発生する

臭気苦情が起こると、改善措置に向け対応に追われることになります。

また事態が深刻化すると最悪の場合、入居テナントが退去したりと二次被害が発生し、多大な労力と損害が生じかねません。

どこから?何の?原因不明の侵入臭気を調査【特許技術x臭気判定士】

何のニオイ?…どこから来るのかわからない…

室内に異臭がするものの、発生源(侵入元)が不明なケースがあります。

 

そんな時は、弊社の「臭気調査」専門部隊をご紹介しております。

臭気対策30年の経験から生まれた独自技術の【臭気侵入経路特定調査】は、業界初の特許を取得しております。2021.8現在)

国家資格である臭気判定士が調査にお伺いし、客観的な測定データに落として、報告書を提出いたします。

ビル管理会社様やマンション管理会社様など、施設利用者・居住者の方への説明資料としてご好評頂いております。

 

【侵入する臭気の調査事例】 
空調機からの異臭を調査 臭気の原因を特定 を見る

まとめ

今回はOAから侵入する多様臭気について、給気側における対策6案をご紹介いたしました。

 

苦情が発生してからでは適切な臭気対策が不可能なケースもあり、

設計段階から臭気対策を検討することをお勧めしています。

 

目に見えないニオイだからこそ、できる限りのご納得とリスク回避を。

カルモアではお客様にご納得いただける対策を心がけております。

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