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におい用語辞典

GLOSSARY

硫化水素

硫化水素の匂いの特徴は?工場での臭気対策事例まで紹介

 

硫化水素(H₂S)といえばどんなニオイ?となる方が多いと思うのですが、硫黄臭といえば温泉などでも嗅ぐ機会もあり、想像がつきやすいと思います。このページではそんな硫化水素について以下のような内容を解説していきます。

 

このページで解決できること!

「硫化水素のニオイの特徴と、臭気の強さを解説!」

「硫化水素が発生しやすい施設や工場ってどこ?」

「濃度によって人体にどんな危険性があるの?」

「硫化水素の臭気対策をした施設・工場の事例をご紹介」

「硫化水素の特徴や基本情報の一覧でまとめ」

 

といった順で紹介することで、硫化水素とは何かを解説しているのでよろしければ参考にしてください。

 

硫化水素のニオイの特徴と、臭気強度の強さ

硫化水素のニオイの強さは中程度 参考文献:臭気強度と特定悪臭物質の濃度関係

 

硫化水素の臭気を認知できるようになる数値(臭覚閾値)は0.02~と中程度となっており、嗅ぎなれた腐卵臭でもあることから、苦情に繋がるケースも多い臭気成分です。

 

臭覚閾値は私たちが危険を予知するための一つの手段として機能しており、腐ったものや毒ガスなど、危険な物質は嗅覚閾値が低く設定されていることが多いのです。特に硫黄化合物は嗅覚閾値の低い物質が多いです。

 

また、臭気の特性として無色の臭気成分で目では確認することができず、空気よりも重いため地下などに溜まりやすい特徴があり、危険に気付きにくい注意が必要な物質です。

 

特定悪臭物質(22物質)の臭覚閾値を確認する⇒

硫化水素の特性についての参考文献:日本薬学環境衛生部会

 

嗅覚閾値とは

嗅覚閾値とは、人間の鼻で感じることができる最小濃度のことを指します。(検知閾値)この値が低いと、その物質は非常に少ない量であっても人間の鼻で感じることができるということです。

 

例えば、アンモニアの嗅覚閾値は1.5ppmですが、硫化水素は0.00041ppmと非常に低い値を示しています。これは、硫化水素が他の臭気物質と比べて感じやすいことを意味します。

 

出典(緑の表のみ):公益社団法人におい・かおり環境協会

硫化水素が発生条件と施設&工場

硫化水素は様々な場所でも発生してしまうような物質のため、工場や排水処理施設に限らず身近な場所でも発生する可能性があります。

 

このセクションでは、硫化水素の発生原因や発生する可能性が高い施設工場まで紹介します。

 

硫化水素の発生方法としては、有機物の分解過程における微生物の作用や、天然ガスや石油の精製過程での発生が知られています。

 

有名な発生場所としては石油精製施設、化学工場、パルプ工場、産業廃棄物処理場、排水処理施設などが挙げられます。これらの場所において業務を行う際は、硫化水素の危険性に十分注意を払う必要があります。

 

硫化水素が発生する理由

硫化水素が発生する理由

 

硫化水素は様々な場所で発生する可能性のある成分で、植物タンパクや動物タンパクの死によって有機硫黄化合物となり分解されることで、硫化水素となります。

 

基本的には自然界において硫酸還元を繰り返しているため、薄い濃度で安定しているのですが、工場の生産プロセス上の微生物の活動や化学反応等によって硫化水素が高濃度となり、中毒作用を及ぼす可能性が高くなります。

 

工場別の硫化水素の主な発生例

精製工場の発生例 パルプ工場の発生例

排水処理場の発生例

硫黄化合物は原油蒸留工程で加熱時に発生

水素化脱硫工程の高温, 高圧の水素共存下で水素化還元より発生

苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)」「硫化ナトリウム」が主な原因により発生

嫌気性微生物に汚濁物質を分解させる際に発生

 

硫化水素が発生する業種&施設一覧

硫化水素が発生する施設一覧 業種別発生状況(2003年~2022年)

硫化水素の業種別発生状況(2003年~2022年) 出典:酸素欠乏症・硫化水素中毒による労働災害発生状況

 

硫化水素による問題が発生しやすい業種については「製造業」「建設業」が大半を占めているという結果でした。

 

ただ、これだけでは具体的にどんな施設や工場で発生しやすいかが判断しにくいと思うので、もう少し詳しくまとめて見ました。

 

硫化水素が発生する施設一覧
食品工場 排水処理場 ごみ処理場 半導体洗浄水処理施設
総合病院 研究室 し尿処理施設 清掃工場
石油精製工場 廃水処理設備がある工場 パルプ工場 テナントビル

 

など、工場や病院だけでなくビルやマンションといった施設にまで硫化水素は発生する可能性があります。

 

いわゆる「硫黄臭い!」と思う段階だと、人体への危険も考えられるため早めの対策をおすすめします。

 

硫化水素の人体への危険性を濃度別に紹介

硫化水素の人体への危険性を濃度別に紹介

 

硫黄水素濃度(ppm)

人体にあたえる影響 

0.3

匂いをわずかに感じる

5~10

不快な匂いを感じる

20~50

目が炎症する可能性

50~150

体調不良(頭痛吐き気)が発生する。

100 ppmを超えたあたりから臭いを感じなくなる(嗅覚麻痺)

150~200

味覚に異変を感じるようになる。

300

亜急性中毒によって、意識を失ってしまう

700~800

臭気を感じる前に意識不明

30分で生命機器に陥る

1,000~2000

失神、痙攣、呼吸困難、死に至る

出典:環境省

 

というように、100ppmほどまでは濃度の高さに応じて匂いの変化を感じることができますが、レベルが3以上になると匂いの変化を感じ取るのが難しくなります。

 

そのため、いつの間にか硫化水素が高濃度の空間にいて、人体へ悪影響が出てしまっていたというケースも少なくはないため注意が必要です。

 

硫化水素の人体への影響は、吸入する量や時間によって異なりますが、眼や呼吸器への刺激、中枢神経系への影響などが報告されています。特に高濃度での曝露は、意識喪失や死亡につながることもあります。

 

硫化水素の中毒症状としては、頭痛、めまい、嘔吐、呼吸困難などが挙げられます。これらの症状が現れた場合は、速やかに安全な場所に避難し、医療機関に相談することが必要です。

 

硫化水素による事故件数(被災者・死亡者)

硫化水素による事故件数(被災者・死亡者)

出典:酸素欠乏症・硫化水素中毒による労働災害発生状況

 

硫化水素の悪臭としての許容濃度について

 

硫化水素の許容濃度は、地域や国によって異なる場合があります。日本の悪臭防止法においては、敷地境界での許容濃度は概ね0.02~0.06ppmとされています。(排出口の規制基準については、排出条件により別途計算が必要となります。)

 

また、人体に直接害を及ぼすような高い濃度でなくとも工場の作業者の方のように長時間硫化水素が存在する空間に滞在する場合では滞在時の不快感が強く、精神的な悪影響を及ぼす事が考えられます。

 

例えば産業廃棄物の処理工場やパルプ工場等の常に硫化水素が存在するような場所においては従業員への配慮が必要です。

 

カルモアの硫化水素の臭気対策事例を紹介

菓子工場の排水処理設備の強力な硫化水素を98.3%減!

 

脱臭効率
99.9%

臭気濃度130,000 → 100

納入機器 高温酸化触媒式 ETO脱臭装置
対象臭気 硫化水素、メチルメルカプタン

 

課題
  • 臭気の苦情となっている原因(発生元)がわからない
  • 強力なニオイだったが無臭に近い状態まで脱臭したい
  • 直販店付近まで不快臭がしてしまい困っている

 


 

導入事例の効果
  • 臭気調査を行うことで、ニオイの発生元を特定
  • 適した脱臭装置を選定することで、臭気を90%以上を低減
  • 不快臭が大幅に低減され、工場からお菓子の良い香り漂うように

 

お客さんが立ち寄ってくれる菓子直営店にて、お菓子の香りに混ざって不快臭がするがその原因がわからないということだったので、臭気調査を実施。ニオイの原因は排水処理施設から漏れる硫化水素とメチルメルカプタンでした。

 

直営店との距離はわずか数十メートルであったため、安定的に強力な脱臭効率を発揮できる高温酸化触媒式 ETO脱臭装置をご提案。デモテストでも高い効果が得られたため装置の導入が決定しました。

 

臭気濃度が130,000→100となったことで施工後、直営店ではお菓子の良い香りが漂うようになりました。

 

 

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下水汚泥の処理施設に消臭剤スプレー装置導入し室内環境改善

 

脱臭効率
97%

臭気濃度3,200 → 100

納入機器 マイクロゲル消臭剤スプレー装置
対象臭気 対象臭気 硫化水素 メチルメルカプタン、低級脂肪酸類等

 

課題
  • 工場見学者の方が頻繁に来場するため強力な脱臭が必要
  • 局所排気・強制換気といった高コストの装置増設は難しい
  • 複数臭気成分が混在した強力な腐敗臭が問題となっている

 


 

導入事例の効果
  • 来場者にも不快感を与えない脱臭効率97%まで軽減
  • 初期費用&維持費が安い脱臭装置を導入
  • 臭気の特性に合わせた消臭剤を選定して脱臭

 

ダンプからの汚泥の受け入れ際に、強烈な臭気が室内に充満してしまうという課題を抱えていましたが、既に事業場建屋の工事は完了しているため大掛かりな工事は現実的ではありませんでした。

 

そこで建屋内部の空間の臭気を低減させることに着目し、マイクロゲルスプレー装置を設計。腐敗臭に特化した消臭剤を室内空間にまんべんなく噴霧することで臭気濃度を3,200→100まで低減させることができました。

 

また、消臭剤は有人環境でも使用可能で、ドライミストで床が濡れないだけではなく、噴霧はタイマー制御となっているため管理面でも手間がかかりにくくなっています。

 

 

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硫化水素の基本情報

Q:硫化水素の測定方法どうして行いますか?

 

A:硫化水素の臭気を測定する方法は大きく分けて2つ考えられます。一つは単体ガスとして定量的に分析を行う方法、もう一つは臭気指数として複合的に臭気の強さを測定する方法です。

 

単体ガスの測定方法としては、ガスクロマトグラフ法やメチレンブルー吸光光度法、イオン電極法などがあります。悪臭防止法における特定悪臭22物質の測定ではガスクロマトグラフ法が主に用いられます。

 

簡易的な測定方法としては、硫化水素ガスセンサーや検知管を使用する方法もあります。これらは、現場で迅速に硫化水素の濃度を知るための手段として利用されることが多いです。

 

一方、臭気指数は複合ガスである『臭気』を人間の鼻を用いて感覚値として定量化する方法です。この方法は三点比較式臭袋法と呼ばれ、国家資格である臭気判定士が管理・統括し測定を行います。

 

どの測定方法を選択するかは、目的や規制基準に応じて選定する必要があります。 Q: 硫化水素はどのような物質と反応しますか?

 

A: 硫化水素は酸と反応して硫酸を生成することが知られています。また、酸化剤との反応で硫酸塩を生成することもあります。(←化学詳しい人に確認した方が良いです 小澤さんとか)

 

Q: 硫化水素は燃えますか?

 

A: はい、硫化水素は可燃性ガスであり、空気中で特定の濃度範囲内であれば火花や火の接触で燃焼(環境によっては爆発)します。 Q: 硫化水素は水に溶けますか?

 

出典:川口液化ケミカル株式会社

A: 硫化水素は水に良く溶け、水溶液は弱酸性を示します。

 

Q: 硫化水素の腐食性についてと耐性のある材質は何ですか?

 

A: 硫化水素は腐食性が強く、水分がある場合に特に著しい腐食性を示します。材質としては、金属はステンレス製が望ましいです。

 

Q: 硫化水素の呼吸による健康被害を予防するための方法は?

 

A: 高濃度の硫化水素の存在する場所では、適切な呼吸保護具を使用することが推奨されます。

 

また、定期的な空気のモニタリングや換気を行うことも重要です。

 

H2S。
分子量34.08、沸点-60.3℃、融点-85.5℃、腐った卵のようなにおいをもつ。検知閾値は0.006ppmとされている。
特定悪臭物質に指定されており、敷地境界規制基準の範囲は0.02~0.2ppmである。
発生源としてはし尿処理場、下水処理場、畜舎、化製場、クラフトパルプ工場などをはじめとして多岐にわたる。

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