保護中: 畜産の臭気対策で苦情なしに!原因の紹介や減臭の方法までご紹介!
畜産業を営むうえで避けて通れないのが「ニオイ」に関する課題。飼育頭数の増加や近隣住民との距離の近さから、悪臭による苦情や行政対応に発展するケースも少なくありません。
この記事では、畜産現場で起こりがちな臭気の原因、法的規制、対策のステップや実際の改善事例まで、わかりやすく解説します。
臭気対策を検討中の方や、これから畜産施設の見直しを行うご担当者様にとって、実務に役立つ内容となっています。ぜひ最後までお読みいただき、参考にしてみてください!
畜産で臭気問題となりやすい3つの原因
畜産業においてニオイの発生は避けられない問題ですが、すべての現場で必ずしも深刻なトラブルに発展するわけではありません。
しかし、ある特定の工程や環境条件が重なることで、ニオイが強くなり、施設外にまで拡散してしまうケースが多く見られます。ここでは、畜産現場で特にトラブルにつながりやすい「3つの原因」をご紹介します。
畜舎から発生する悪臭
牛・豚・鶏などの飼育舎では、動物自体のニオイや、尿・排泄物に起因するニオイが空気中に充満しやすくなります。
換気不足や清掃の頻度が低下すると、室内にアンモニアや硫化水素が滞留することで悪臭が強まり、施設外へ拡散するケースもあります。
糞尿処理時に発生する悪臭
発酵、脱水、焼却など、畜舎から出る糞尿を処理する工程では、特定悪臭物質を含んだガスが大量に発生します。特に気温が高い時期や、処理が滞っている状況ではニオイが強くなり、近隣まで届くケースも多く見られます。
サイレージ(牛の飼料)から発生する悪臭
牛の飼料であるサイレージは、乳酸菌などの発酵作用で保存性を高める一方、分解が進むと独特の発酵臭を放つことがあります。保管状況や通気性によっては、腐敗臭に近いニオイが発生するため、適切な保管・運用が必要です。
畜産から発生しやすい悪臭22物質とその規制基準
畜産から発生する主な悪臭物質
引用元:https://chikusannavi.kyoritsuseiyaku.co.jp/environment/29
畜産現場で問題となるニオイの主成分は、「特定悪臭物質」として悪臭防止法で定められており、大きく3つのタイプに分類されます。
アルカリ性臭
アンモニアやトリメチルアミンなど、糞尿や動物の汗などに含まれるニオイです。刺激臭として感知されやすく、特に苦情につながりやすいタイプです。
酸性臭
硫化水素やメチルメルカプタンなど、糞尿の分解時に発生する腐敗臭です。強い不快感と刺激臭が特徴で、鼻をつくようなニオイを発します。
中性臭
アルデヒド類など。肥料や飼料だけでなく、消毒剤などにも由来することもあり、“お酒臭い息”のようなニオイとして感じられることもあります。
畜産から発生する臭気にはこれら多くの悪臭物質が含まれているため、近隣苦情に繋がる前に対策が必要です。実際に悪臭防止法でも規制値が定められているため、基準値を超えない対策が必要となります。実際の基準値については下記で解説しています。
畜産から発生する主な悪臭物質の規制基準
引用元:https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/t_mondai/attach/pdf/ikenkoukan-8.pdf
畜産の現場では、アンモニアや硫化水素など、特定悪臭物質に該当するニオイが多く発生します。これらは、悪臭防止法により規制対象となる可能性があり、施設の規模や排出状況に応じて行政対応の対象になることがあります。
悪臭防止法では、臭気指数(ニオイの強さを数値化した指標)や、特定悪臭物質ごとの濃度について、規制基準が定められています。
これらの基準値を超えてニオイが周辺に拡散している場合は、行政指導や改善命令の対象となる可能性があるため、早めの測定と適切な対策が必要です。
畜産施設においても、規模や苦情件数、地域住民との距離などによっては、都道府県や市区町村が「悪臭規制地域」に指定し、法的な対応を求めるケースもあります。
そのため、「うちは農業だから対象外」と思い込まず、地域の条例や行政判断も含めた臭気管理を行うことが大切です。
畜産で悪臭苦情が発生した時の流れ
万が一、近隣住民や自治体から悪臭に関する苦情が寄せられた場合、一般的には以下のような流れで対応が進められます。
行政指導
まずは、地方自治体の環境課などから状況の確認や、現地調査の要請があります。この段階では「助言」や「依頼」に留まることもあります。
改善勧告
測定結果が基準を超えていた場合、施設に対して改善の勧告が出されます。勧告は法的拘束力はありませんが、対応の記録が残るため注意が必要です。
改善命令
改善勧告にもかかわらず改善が行われない場合は、法的拘束力のある「改善命令」が出されることがあります。この段階に至ると、早急な対応が求められます。
苦情解決または罰則 対応が不十分と判断された場合、罰金や営業停止などの措置が科されることもあります。逆に、早期に適切な対策を講じれば、苦情の収束や信頼の回復にもつながります。
畜産で悪臭苦情を防ぐための対策ステップ
悪臭苦情が発生する前、または改善命令などを受ける前に行っておきたい対策は以下の通りです。
ステップ1:現状把握(臭気測定)
ステップ2:オペレーションの見直し
ステップ3:設備や排気ルートの見直し
ステップ4:脱臭装置・監視機器の導入
例えば活性炭脱臭装置や消臭剤スプレー装置などを導入することで、ニオイを効果的に除去することが可能です。また、臭気センサーで常時モニタリングを行えば、ニオイの異常発生に即時対応することも可能になります。
畜産の臭気対策事例
次に、実際に当社で行った臭気対策の事例をご紹介します。
養豚場:住民ニオイ苦情をLIMOSで監視・未然に防止
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周辺住民からニオイ苦情が発生している大規模養豚場・たい肥化施設に対して、臭気対策の日常的管理・監視として、ニオイ自動監視システム「LIMOS(リモス)」を設置。
現場に行かなくとも、ニオイの動きが親機のモニターでいつでも確認できるようになっただけでなく、アラート機能によって事前に設定した測定値を超えた場合はすぐに気づくことができるようになり、大規模な脱臭装置を導入することなく、コストを抑えて悪臭苦情の対策を実施することができました。
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養鶏場:糞焼却時のニオイ問題を脱臭装置で改善
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近隣住民の方から悪臭苦情が発生してしまった養鶏場に対し、臭気アセスメントと拡散シミュレーションを行ない、その結果・データをもとにマイクロゲル脱臭装置、新型プラズマ脱臭装置を導入。
その後、脱臭効果を事前に確かめるために新型プラズマ脱臭装置にてデモテストを実施させていただき、80%を超える脱臭効率を実現することができました。
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堆肥化工場:最適な脱臭装置選定で臭気問題を解決
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近隣住民から臭気苦情が発生してしまった堆肥化工場に対し、臭気アセスメントの実施と消臭剤マイクロゲルの噴霧装置を設置。
「アンモニア、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、メチルメルパプタン、トリメチルアミン、プロビオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、ノルマルラク酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸」などの幅広い悪臭物質への対策が必要。
ニオイに合わせて消臭剤を調合できる消臭剤マイクロゲルの特性を活かして、無事に悪臭苦情を抑えることができるレベルまでの高い脱臭効果を実現することができました。
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畜産に関する臭気でよくある質問
臭気指数の規制基準は?
悪臭22物質が規制対象となるケースが多く、自治体ごとに条例で定められている場合もあります。まずは測定を行い、地域の基準を確認することが大切です。
養牛舎・養豚舎・養鶏舎で苦情の件数が多いのは?
引用元:https://www.maff.go.jp/j/chikusan/kankyo/taisaku/pdf/02_shigeoka.pdf
地域差はあるものの、養豚舎での苦情件数が特に多いとされています。理由として、糞尿処理量の多さや排気のニオイの強さが挙げられます。
臭気指数はどうやって計測するの?
「嗅覚測定法」によって行います。測定員が、ニオイを希釈した空気を順に嗅ぎ、どの程度の薄さで感知できるかをもとに「臭気指数」を数値化します。人間の感覚を使った定量的な評価法であり、悪臭防止法に基づく正式な方法です。
臭気の排出強度ってなに?
臭気の排出強度とは、排気口や窓、ダクトなどから外部に放出される臭気の「強さ」と「風量」を掛け合わせたものです。同じ臭気指数でも、風量が多ければ拡散範囲も広がり、苦情の原因となりやすくなります。
まとめ
畜産施設におけるニオイ問題は、近隣地域や地球環境と上手に付き合っていくために重要なテーマです。悪臭トラブルを引き起こし、それを放置しておくことは、近隣とのトラブルだけでなく最悪の場合、罰金や営業停止などの措置を受けるリスクにつながります。
大規模な対策ではなく、日常的なオペレーションの見直しから、ニオイ監視システムを導入するだけでも解決できるケースは数多くあります。また、カルモアではお客様の施設の状況やコストに合わせて、臭気調査やデモテストを行った上で最適な脱臭機器をご提案することが可能です。
「畜産施設のニオイが気になる」「近隣からの指摘が増えてきた」「まずはニオイの状況を知りたい」など、気になることがあれば、まずはお気軽にご相談ください。臭気対策のプロフェッショナルとして、万全のサポートをお約束します。
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