堆肥化工場の糞尿臭に最適な脱臭装置選定!悪臭苦情を改善した事例!
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臭気成分
糞尿臭・アンモニア・硫化水素・硫化メチルなどの複合臭
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発生場所
排出口 施設内
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導入企業
堆肥化工場
今回ご紹介するのは、堆肥化工場における臭気対策の導入事例です。
堆肥化工場は、腐敗発酵臭を含む排気が発生することが多く、普段から悪臭と認識される糞尿系の臭いが強いため、しっかりとした臭気対策を行わなければ、近隣から苦情が寄せられてしまう施設です。
今回、当社では最適な脱臭対策と必要な脱臭効率を導き出す「臭気アセスメント」から、その調査結果にもとづき消臭剤マイクロゲルの噴霧装置を導入させていただき、無事に近隣からの臭気苦情を解決することができました。
この記事では、事例の詳細についてご紹介していきます。
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堆肥化工場様の課題と目的
今回ご依頼をいただいたのは、関西地方にある堆肥化工場。受け入れた汚泥を発酵させて、堆肥化するといった工程を行っている工場です。
当社には工場の設備担当者の方から、「近隣住民から臭気苦情が発生してしまったので対策をお願いしたい」とご相談があり、臭気対策をご提案させていただくことになりました。
近隣住民の方からの苦情に対しては、後に行政からの指導や、業務停止の勧告などにつながる恐れがあるため、しっかりとした臭気対策が求められます。
今回の案件においても、苦情につながりやすい腐敗発酵臭を、コストをできるだけ抑えながら、確実に悪臭苦情をおさめる対策方法が求められました。
カルモアが堆肥化工場へ行った対策
効率的な脱臭対策を導き出す「臭気アセスメント」を実施!
カルモアの臭気アセスメントは、「脱臭装置の選定や臭気対策で失敗したくない」、「お金をかけても苦情がおさまらなかったらどうしよう」といったお悩みにお応えする調査です。
悪臭苦情や悪臭排出の原因となる場所、成分、条件などを調査し、それを数値でミエル化することができるため、客観的なデータをもとにした対策を行うことができます。
今回の臭気アセスメントの結果、問題となっている臭気はいくつかの発生源があることがわかりました。
しかし、本工場においては建設当時から生物脱臭装置が導入されており、高さ10mを超える煙突による排気口などの対策がすでに行われていました。とはいえ、それだけではやはり悪臭は抑えきれておらず、苦情につながってしまっていることがわかりました。
さらに、本工場においては悪臭防止法によって「特定悪臭物質(政令指定22物質)」の規制がかかっており、排出口においてはアンモニア、硫化水素、硫化メチル、二硫化メチル、メチルメルパプタン、トリメチルアミン、プロビオンアルデヒド、ノルマルブチルアルデヒド、ノルマルラク酸、ノルマル吉草酸、イソ吉草酸などの悪臭物質が検出されました。
既に導入されていた生物脱臭装置などの影響もあり、特定悪臭物質規制の数値はクリアしていたものの、やはりこれらの悪臭物質を確実に脱臭することができないと、再び悪臭苦情につながってしまうことは明白でした。
また、近年各地域の規制は変わってきており、臭気指数によって規制値を設けるケースも増えてきています。
「特定悪臭物質(政令指定22物質)」の規制値をクリアしているからといっても、22物質以外の臭気が原因となり苦情が発生する事例は多くあります。
臭気苦情を発生させないためには、今のうちにデータをもとにした確実な臭気対策を実施しておくことをおすすめします。
消臭剤マイクロゲルの噴霧装置を提案。効果を確かめるためのスプレーテストを実施!
当社では悪臭苦情の原因となっている排出口に対して、消臭剤マイクロゲルの噴霧装置を設置することをご提案させていただきました。
消臭剤マイクロゲルは、ニオイに合わせて調合することができるため、どんなニオイでも優れた消臭効果も発揮することができるというメリットがあります。
効果のスプレーテスト後に消臭剤マイクロゲルの噴霧装置をご提案。
当社では悪臭苦情の原因となっている排出口に対して、消臭剤マイクロゲルの噴霧装置を設置することをご提案させていただきました。
消臭剤マイクロゲルは、ニオイに合わせて調合することができるため、どんなニオイでも優れた消臭効果も発揮することができるというメリットがあります。
当社では、今回問題となっている悪臭物質に対して、当社の数多い消臭剤ラインナップから、最も脱臭効果を発揮する消臭剤を選定する選定試験を行い、脱臭効果を高めることを実現しました。
さらに、消臭剤マイクロゲルによる脱臭対策は、コスト面でも優れているのが特徴。安価な設備投資(イニシャルコスト)で設計することが可能で、限られた予算の中でも高い効果を発揮することができます。
本工場においても、確実に脱臭効果を発揮できるかを確かめるため、導入前にスプレーテストをご提案し実施させていただきました。
その結果、悪臭苦情を抑えられるほどの優れた脱臭効果を確認することができました。お客さまにもこのスプレーテストの結果を報告させていただき、導入を決定していただくことができました。
導入後の効果
悪臭苦情がなくなり消臭剤購入もリピートいただいています!
工場の既存設備の中に、臭気と消臭剤の接触時間を長くするための「消臭チャンバーボックス」として使える設備があったため、そちらを有効利用しました(既存設備の改造は、弊社アドバイスのもと、お客様の方で実施)。
これにより、新たに消臭チャンバーボックスを新設することなく、初期費用を通常よりも安く抑えることができました。
消臭剤マイクロゲルの噴霧装置の導入後は、悪臭苦情がなくなり、お客さまに大変お喜びいただくことができました。
堆肥化施設は、大きく分けて「通常時」と「攪拌時」の2つに分けられます。「攪拌時」のほうが強い臭気は発生しますが、お客様を中心に、マイクロゲルをどのように噴霧すれば効率良く脱臭ができるかを検討し、運用まで落とし込むことができました。
消臭剤マイクロゲルの噴霧装置は、噴霧のON/OFFや噴霧量、ミスト径などを簡単に変更することができることもメリットです。そのことを本件で再認識しました。
導入後も継続して消臭剤をご購入いただいており、さらに新たに建設される工場においても臭気対策をご相談いただいています。
今回の堆肥化工場においては、すでに生物脱臭装置が導入されていたため、消臭剤マイクロゲル噴霧装置として約1,000万円の費用で臭気対策を行うことができました。
しかし、これから新たに堆肥化工場の臭気対策を行う場合は、これ以上の費用がかかることが想定されます。やはり堆肥化工場の臭気対策は簡単ではないですね。
カルモアでは、お客さまのご予算や工場の状況に合わせてベストな臭気対策をご提案させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。日本全国対応で、海外もご相談に応じます。