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消臭剤・脱臭装置・臭気調査・ニオイセンサー・除菌・防カビ・ウイルス対策。日本全国、海外も対応のカルモア

導入事例

SOLUTIONS

大型クルーズ船における火災事故の復旧/脱臭とダイオキシン対策

  • 臭気成分

    火災臭 (煙、焼き焦げ臭)
    ダイオキシン
    カビ臭、カビの除菌

  • 発生場所

    大型クルーズ客船

完成間近の大型クルーズ客船にて火災が発生。

船体復旧工事の一環として、焼き焦げ臭の脱臭・ダイオキシン除去・除菌防カビ施工・そしてそれらの客観的エビデンス資料として環境アセスメントを実施しました。

課題

大型クルーズ客船ダイヤモンドプリンセスの建造中、完成間近にして火災が発生しました。

船の床面積の約4割が焼失という惨事となりましたが、オーナ様を始めとする関係各社のご英断により、船は修復による復活の道を与えられます。

大規模な復旧工事が計画され、全国から作業部隊が招集されました。船体内の空気環境対策においては、弊社が一括請負することとなり、関係する全作業メンバーによる懸命な修復作業がスタートします。

 

火災事故後の復旧作業が難しいとされる理由の一つは、嗅覚に敏感に反応してしまう「焼き焦げ臭」の性質にあります。人間の危険回避本能により、ほんの微量でもニオイが知覚されてしまうため、かなり徹底した脱臭対策が求められます。さらに、火災現場ではダイオキシンの発生も課題です。消火に使用された水が一定期間放置された場合には、カビが大量に発生する場合も少なくありません。そして、これら空気質汚染を対策することと、その客観的分析データをエビデンスとして資料化することが、火災保険対象となる場合には必要です。

 

与えられた作業期間は半年。

撤去・洗浄業者、内装工事業者といった他社の方々と作業工程を調整しながら、一連の修復工事スケジュールが最短となるよう計画・実行することもまた、非常に高度な要求でありました。

事例ポイント

  • 作業対象箇所が広範囲
  • 消臭が困難な、煙や焼き焦げ臭の脱臭
  • 下層階を中心にカビも発生
  • ダイオキシンの残留が懸念される
  • 各方面の業者様と調整しながら、限られた工期での作業完遂が求められる
  • 保険会社様やオーナー様への説明・エビデンス資料が必要

復旧までの流れ

作業概要

①臭気アセスメント (被害状況を把握、計画の立案)

②脱臭作業 (煙・焼き焦げ臭、カビ臭の脱臭)

③防カビ施工

④ダイオキシン測定 (ダイオキシンの残留の確認、環境アセスメント)

⑤報告書の提出(客観的データ、エビデンス資料の作成)

 

まずは臭気アセスメントにより被害の状況を把握し、区画ごとの作業期間や作業順などの計画を立てます。

大まかな計画が立ったところで、作業開始。オゾン脱臭作業により、クルーザー客船内の火災臭やカビ臭の脱臭、カビの除菌を同時に実施しました。

また、臭気とは別にダイオキシンの測定も実施。残留状況を確認しました。

この一連の施工・対策実施と実施前後の測定データをまとめた報告書は、何十ページにも上りました。

①臭気アセスメント

膨大な範囲と部屋数、、、大型客船はまさに大規模複合施設、一つの街と言っても過言ではありません。その多様な施設と客室において、大量のスス、内装材の焼損、焼き焦げ臭の充満、消火放水によるカビの発生、ダイオキシンの発生、、、といった様々な空気汚染原因が、汚染レベルも多様に混在している状況でした。

 

そこでまず範囲を一定区画ごとに区切り、区画単位での臭気アセスメントを実施しました。具体的にはは、臭気質と臭気レベルの測定被害状況の評価・カビ繁殖レベルの測定です。

焼損したエリアはもちろんですが、非延焼エリアにおいても、煙やススが回り込んだことによるニオイのしみ込みやカビ胞子の流入が懸念されたため、対象範囲に含めます。測定データと必要な対策種類および対策レベルを、区画ごとに図面にマッピングし、見えない臭気とカビを視覚化していきました。

臭気の質とその強さによって除去対策に要する時間が大きく異なるため、より最適な工程を組むためには、高い経験値と技術が求められます。

 

臭気の測定は、国家資格である「臭気判定士」が実際に船内汚染箇所を歩き回り、嗅覚により臭質と臭気強度を識別、同時に携帯式「においセンサー」を用いて測定していきます。においセンサーは臭気の強さを測定する非常に有効な測定技術ですが、たとえば焼き焦げ臭とカビ臭をかぎ分ける、というような臭質の厳密な区分けと、それに対する臭気の強さまではデータ化することができません。

そしてこの「嗅覚による嗅ぎ分けや強度感知」がまさに、対策立案に必要不可欠な熟練技ということになるのです。

 

またカビ発生レベルの測定には、カビ菌採取によるコロニー数測定を行っていきました。

 

においセンサーによる臭気測定 カビの発生状況

②脱臭作業

火災において問題となる焼き焦げ臭。これらの臭気は、非常に低濃度でも感知されやすいという特徴があり、脱臭が難しい臭気の一つです。今回はこれらの火災臭に加え、消火時に撒いた海水により客船の下層部に生じたカビから発生した、カビ臭の脱臭も求められました。

 

臭気の脱臭方法としては、一般に消臭剤の噴霧や強制的な換気といった方法が知られています。しかしこれらの方法で火災臭を脱臭しようとしても、非常に時間がかかる上にほとんどニオイは除去できません。なぜなら、天井・壁・床・柱と言った内部建材の中に、空間に漂うニオイ成分の何倍もの量がしみ込んでいるからです。たとえ空間内のニオイ物質を除去しても、しみ込んだにおいまで徹底的に除去しなければ、完全な脱臭対策とはなりません。「ニオイが復活した」状況を招いてしまうのです。

 

火災焼き焦げ臭の強力・徹底脱臭には、高濃度オゾンによる脱臭を行います。

 

オゾンは酸化力の非常に高い物質で、におい分子を分解除去する性質を持ちます。少量のオゾンでは脱臭効果も高くはありませんが、高濃度に室内燻蒸することにより、非常に高い脱臭効果を得ることができます。(高濃度オゾンは人体への危険が伴うため、その管理・運用には十分な経験と知識を持って対処する必要があります。)

区画ごとに分かれた空間に高濃度オゾンを放出させ、一定期間燻蒸する作業を繰り返してニオイの嗅覚感知がなくなるレベルにまで消臭します。

加えて、オゾンはカビ臭の分解やカビ菌そのものを除菌するといった効果も併せ持つため、焼き焦げ臭のみならずカビ臭の脱臭と除菌処理も同時に達成しました。

 

オゾンによる脱臭作業は、数日間かけて燻蒸と換気を繰り返します。

オゾン脱臭作業に必要な日数は、臭気の強さにより異なります。本クルーズ船火災復旧では、臭気レベルの最も高いエリアにおいて、5~7日間程度を要しました。臭気レベルが低いエリアにおいては、作業日数1日+自然換気、という場所もあります。臭気アセスメント結果に基づき、区画ごとに無駄のない最適な燻蒸日数を算出し、全体の復旧スケジュールが最短完了となるよう、計画・実行していきました。無駄のない計画と施工を算出できるのも、経験値の高い専門部隊ならではと言えます。

③防カビ施工

特に客船など海上での消火活動が行われた場合には、放水に海水が利用されるため、栄養分の豊富な海水の放置により1カ月を経たずに貝や藻や微生物が大量に発生するという特徴があります。

オゾンで除菌処理された空間でも、浮遊菌が付着すればいずれカビが再発します。

カビの住めない環境を作る、それが防カビ施工です。

スケルトン状態になった内建材の表面に、人体への安全性の高い防カビ剤を噴霧・塗布していきます。

強力な防カビ施工はスケルトン状態で実施する方がより効果的で、内装材への水分ダメージの心配もないため効率的です。

④ダイオキシン測定

ダイオキシンは物質の不完全燃焼などに伴い発生する化学物質で、その一部には毒性の高いものが含まれます。難分解性のため残留性が高く、「ダイオキシン類対策特別措置法」により規制基準が定められている物質です。発がん性の疑いがあるというニュースなどは、耳にしたことがある方も多いのではないでしょうか。

上述の通り不完全燃焼で発生するダイオキシンは、火災現場において検出されることが多く、復旧工事後に人の出入りや居住が予定される場所においては、その残留濃度が懸念されます。

火災現場における復旧では、ダイオキシンの除去と、残留確認の測定をお勧めしております。本クルーズ船火災復旧においても、復旧後に客船内に人の往来と宿泊が予定されるため、ダイオキシン対策と測定は必須項目となりました。

 

ダイオキシンの除去にも、高濃度オゾンを利用します。

難分解性のダイオキシンですが、オゾンの酸化力で分解することが可能です。そのためダイオキシンの除去については、上述のオゾン脱臭作業によって、脱臭と同時に達成されました。

 

抑えるべくは、除去状況を客観的に確認するダイオキシン測定です。

ダイオキシンは無臭物質のため、臭気判定士の嗅覚やにおいセンサーでは測定できません。第三者機関による化学分析を通して、空間中に含まれるダイオキシン濃度を測定し、エビデンスデータとして資料に落としました。

⑤報告書の提出

      • 臭気判定士による臭質・強度判定データ
      • においセンサーによる測定値
      • カビ菌のコロニー数測定データ
      • 第三者分析機関によるダイオキシン測定データ

を、対策施工の実施前後で測定し、図面に落とし込み、実施状況と完了状況を視覚化した報告書にまとめました。

その資料は、船オーナ様への報告資料、そして、保険会社様への提出資料として活用いただきました。

最後に

こうして私たちの熱く、使命に燃えた半年間は終了しました。

その後「She(彼女)」は無事に完成を迎え、多くの人々に祝福されて船出を果たしました。

一度、彼女が関東の港に寄港したことがあります。その際、修復工事に携わった弊社メンバーは彼女に再開し、目頭を熱くして達成感に包まれました。

本対策事例は、私たちの社歴においても最も大きな施工プロジェクトとなりました。私たちの施工技術と経験値は、このプロジェクトを通して飛躍的に成長いたしました。

大損失を背負った「一つの夢」を復活させる。そんな大きな使命あるプロジェクトに参加させて頂けたことを、今でも心より感謝するとともに、「She(彼女)」がいつまでも多くの人に夢と喜びを与え続けることをお祈り申し上げております。


 

日本全国対応、海外もご相談に応じます。

火災事故の復旧にお悩みの際は、どんなご質問でもお気軽にご相談ください。

 

 

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