食品工場／排気 脱臭装置の導入事例(ラーメンスープ工程)

課題

イートイン施設を併設しているラーメンのスープ製造工場にて、お客様が通行する路面（工場敷地内）や建屋内にて工場由来と思われる悪臭がしていました。

臭気の発生原因を明確にするため、臭気アセスメントを実施して原因を調査し、その臭気に合わせた対策をご提案しました。

施策

提案内容

発生源となりうる排気・通気設備が複数あるということで、どこがクレームの原因となっているのかを調べるため、臭気アセスメントを実施しました。

＜臭気アセスメントの流れ＞

①臭気排出状況のヒアリング（苦情発生時間、場所、臭質など）

②工場内の臭気排出状況調査（全排気ダクトの臭気濃度測定、風量測定、気流測定など）

③工場外の漏洩・拡散調査（臭気判定士による嗅覚を用いた踏査など）

④調査データから臭気拡散シミュレーションの実施

⑤対策の必要性の優先順位付け

⑥既存設備改善の提案、新規脱臭装置の提案など

工場外調査の様子　　　　　　　　　　臭気濃度測定の様子

※写真はイメージです

こちらの工場では、スープ出汁製造時の臭気や惣菜製造時の臭気、排水処理設備内の浄化槽の臭気などが工場敷地内で確認されました。よって、これらの臭気および排気・通気設備を中心に調査を実施いたしました。

調査結果

各排気口における風量と臭気濃度を測定したところ、結果は以下の通りでした。

提案した脱臭装置

臭気アセスメントの結果を元に、以下の脱臭装置をご提案しました。

これらの中から、まずは浄化槽由来の臭気の対策を行うためには『狂着フィルター』。

さらに、同系統の工場を新設する際には今回のコンサルテーション結果を元にした臭気対策が検討され、『厨房排気用脱臭装置ゼオガイア』を提案いたしました。

浄化槽由来の臭気の対策

装置名：狂着フィルター脱臭装置

フィルター材質：不織布　ポリエステル

粒状活性炭を不織布に挟み込んだ活性炭シートを、プリーツ形状に折りフィルターに成形しています。表面積の拡大による高い脱臭効率と圧力損失の抑制を両立させました。

狂着フィルターの詳細ページはこちら。

 スープ出汁製造室、惣菜製造室の臭気

装置名：ゼオガイア脱臭装置

フィルター材質：セラミック無機繊維素材

調理臭に有効な原料を含有し、無数の細孔に臭気分子が捕捉されることで吸着脱臭します。臭気が弱いタイミングには、補足した臭気分子を放散する機能を持ちます。フィルター寿命が延びるため、ランニングコスト低減につながります。

ゼオガイアフィルターの詳細ページはこちら。

その後の状況

お問合せ当初はラーメンスープの排気のニオイに関するご相談でしたが、打合せを進めるにつれて、事務所に入ってくるニオイや、排水処理のニオイも見てほしいと、幅広くご相談していただけるまで信頼していただけました。

こちらの工場におけるアセスメントの結果は大変好評で、当工場は山の中にあり近隣の民家もほとんどないため、当工場へのゼオガイアの設置は見送られましたが、そのアセスメントの結果をもとに関東にある別工場を新設時にご相談も頂きました。

まとめ

今回は店舗併設型のラーメンスープ工場における、臭気対策事例をご紹介いたしました。

発生源が不明確で対策に踏み切れなかった状況を踏まえ、臭気アセスメントにより発生源を明確にすることで最小限のコストで対策する方法をご提案いたしました。

ニオイにお悩みの際は、ぜひ一度プロにご相談くださいませ。