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業務用脱臭消臭のカルモア(臭気調査・脱臭装置・消臭剤・センサー)・防カビ・除菌・ウイルス対策

創業30年 全国・海外 実績10万件
脱臭消臭専門のカルモア

納入事例

CASESTUDY

ビニール素材(樹脂成型)工場/排気 脱臭装置の導入事例

  • 臭気成分

    有機溶剤系、ビニールが焦げたようなニオイ

  • 発生場所

    成型工程、電気集塵機二次側排気2系統

  • 導入企業

    樹脂成型工場

近隣住宅地の拡大に伴い、地域住民から臭気苦情が発生しました。工場排気臭は規制基準値を超えており、しかも大風量(約1,000㎥/min)。

まず状況把握と対策立案の「臭気アセスメント」を行い、費用対効果が最も高い「消臭剤スプレー装置」を導入しました。規制基準値をクリアし、住民苦情も無事に解決しました。

目次

1.お客さまの課題・事例の概要
2.本製造工場で行った施策

①臭気アセスメント

②本件で費用対効果の高い対策方法とは

③効果検証デモテスト

④臭気拡散シミュレーション

⑤ランニングコストの調整

3.導入した脱臭装置「マイクロゲル消臭剤スプレー装置」の概要
4.脱臭装置導入後の効果(データ検証)
5.まとめ

お客さまの課題・事例の概要

もともと在った工場の周辺500mほどのエリアに新興住宅地が造成され、地域からの臭気苦情が発生してしまいました。

悪臭防止法の規制基準値を超えていることもあり、役所も対応に動き始め、行政の改善指導を受ける一歩手前の状況となりました。

会社としてのこの深刻な状況に、現場(工場担当者)の枠を超え、本社・技術部の方より直接カルモアへご相談を頂きました。

 

<対象設備(排気ライン)概要>

風量 : 約1,000㎥/min (500㎥/min×2基)
温度 : 常温
湿度 : 常湿

 

(脱臭装置導入ではなく)苦情解決がゴールであること、過剰なコストとならない対策を行いたいこと、により、「臭気アセスメント」から開始することをご提案しました。

 

事例ポイント

  • 周辺住民の悪臭苦情を解決したい(行政指導も間近)
  • 風量が大きい(排気風量総計は、約1,000㎥/min)
  • 大風量ではあるが、対策コストは極力抑えたい
  • 排気口(2号規制)、敷地境界(1号規制)の規制基準値をクリアしたい

本製造工場で行った施策

①臭気アセスメント

苦情が発生しており、苦情を解決することがゴールであることから、まずは「どの排気口から」「どのくらいの強さの臭気が」「どこに流れているのか」を把握することから開始しました。

 

臭気判定士悪臭防止法に定められる国家資格)が現地に赴き、工場敷地周辺や排出口における臭気の状況を調査、臭気の強さを測定します。

臭気測定においては、嗅覚測定法による臭気指数臭気濃度の算出を主軸に、場合により成分分析や特定物質濃度測定などを組み合わせます。

また、風向き、排気口の位置、周辺建物の高さ、苦情が発生している(苦情主)エリア、周辺地域の地形、などを総合的に考慮しながら苦情発生原因を分析していきます。

 

においの調査分析

臭気判定士による嗅覚測定風景 排気口の調査・測定風景

 

工場の臭気対策においては、現状を数値化(見える化)して把握することが非常に重要となるため、まずはこの「臭気アセスメント」をおすすめしています。

誤った状況把握のまま対策立案・脱臭装置選定に進むと、過剰・高額な設備の導入や、対策しても悪臭苦情が収まらない、などの結果を招いてしまうことが非常に多いからです。

②本件で費用対効果の高い対策方法とは

スプレー噴霧
消臭剤噴霧装置

臭気アセスメントの結果、やはりビニール系素材製造工程の排気が苦情原因であり、対策ターゲットとなりました。

対象の排気口は風量が大きく約1,000㎥/min=500㎥/min×2基)、しかしお客様としては極力設備コストを抑えたいとのご要望があったことから、「マイクロゲル消臭剤スプレー装置」をご提案しました。

 

マイクロゲル消臭剤スプレー装置は、カルモアが独自に開発した「マイクロゲル消臭剤(産業用)」と、「スプレー脱臭装置」の組み合わせです。

既存のダクトを活用して噴霧ノズルを設置することができるため、イニシャル価格が比較的安価な点がメリットです

また、カルモアが独自開発しているマイクロゲル消臭剤」は、ニオイ別に調合した製品ラインナップがあり、においの種類に合わせて高い消臭効果を得ることができます。

さらに消臭剤自体は完全に無香料であり、フィトンチッドなどのように消臭剤自身のニオイが住民苦情を引き起こすといった懸念もありません。

 

本工場では、工場敷地が比較的狭かったため、ダクト工事をせず、排気口後の気液接触を狙ったスプレー装置を設計しました。

③効果検証デモテスト

デモテストの様子
デモテストの様子

「はたして、自社の排気臭に効果が得られるのか。」

どのお客様でも共通でご心配される点です。

 

そこでカルモアでは、高い脱臭装置を設計・導入する前に、スケールダウンしたデモ機により、お客様の実際の臭気を用いたデモテストを行っています。

デモテストでは、

・対象臭気に対して脱臭効果が得られるのか

・設備設計の目安を得る

・実機における運用値を検証する

などを確認することができます。

 

消臭剤スプレー装置は、「薬剤の噴霧量」x「薬剤との接触時間」で脱臭効果を大きく変動させることができます。

基本的には、消臭剤の噴霧量を増すほど脱臭効果が高くなりますが、噴霧しすぎてもドレン水の増加を招き、水処理などの課題を生みます。

デモテストでは、噴霧量を変動させて各脱臭効果を測定し、適切な噴霧量を確認します。

 

《樹脂製造工程排気におけるデモテストの例》

希釈倍率 200倍 200倍
噴霧量 3cc/m3 1cc/m3
脱臭前臭気濃度 790 1,300
脱臭後臭気濃度 250 790
脱臭効率 68% 39%

 

④臭気拡散シミュレーション

臭気拡散シミュレーション
臭気拡散シミュレーション

デモテストで得られた結果を基に、臭気拡散シミュレーションを実施しました。

 

臭気拡散シミュレーションは、排気口から排出された臭気がどのように周辺地域へ拡散していくかをシミュレーションし、視覚的に地図に落とすことができます。

 

計画している脱臭装置は本当に臭気を抑制するのか、確実に悪臭苦情の解決が期待できるのか、といった脱臭装置の性能を導入前に見極めることが可能となります。

安心して実機設計に踏み切ることができるため、非常にお勧めです。

 

においシミュレーションについては、環境省でも無料のソフトが配布されています。

しかし、このソフトは実態との乖離が大きい算出結果となることも多く、写真のようなエリア全体の拡散状況をマッピングすることはできません。

ぜひカルモアが独自開発した、臭気拡散シミュレーション「KALMOS(カルモス)」をご活用ください。

⑤ランニングコストを最小限に抑えるために

風向計
風向計

苦情の解決を第一目標とする場合、苦情が発生しやすい気象条件の時と、苦情が起こらない気象条件の時で、求められる脱臭の度合いが変わってきます。

 

そこで気象条件に合わせて消臭剤の噴霧量を調節できるよう、オリジナルのプログラムを組み込みました。今回は風向や風速が苦情発生に関わる条件となっていた為、風向風速制御装置を設置。

これにより消臭剤の消費量を抑えつつ苦情対策を行うことができ、大幅なランニングコストの節約を実現できました。

このような苦情発生条件に合わせた装置運用によるランニングコスト削減は、活性炭式やフィルター式にはない、消臭剤噴霧装置の大きなメリットといえます。

導入した脱臭装置「マイクロゲル消臭剤スプレー装置」の概要

本事例では、カルモアが独自に開発した「マイクロゲル消臭剤(産業用)」と、「スプレー脱臭装置」を組み合わせて導入いたしました。

「マイクロゲル消臭剤」は、無臭であるにも関わらず、ニオイ別に調合した製品ラインナップで高い脱臭効果を発揮します。

本客先においてはさらに消臭効果を高めるため、対象臭気専用に消臭剤の調合をカスタマイズしております。

 

装置スペック

消臭剤希釈タンクなど
消臭剤希釈タンクなど
装置 消臭剤マイクロゲルスプレーシステム
薬剤 マイクロゲルC-NTをベースにしたカスタマイズ製品
風量 No.1排気=590m3/min、 No.2排気=590m3/min
外寸 外寸: 2,500w×1,500L×2,000H(mm)

 

※ 現在「マイクロゲル C-NT」は、より技術・性能を進化させた「マイクロゲル D-NT3」と型番を変更してお取り扱いしております。

 

効果

最終脱臭効率:60~80%

採取場所

No.1排気

No.2排気

脱臭装置入口(臭気濃度)

2,500

3,200

脱臭装置出口(臭気濃度)

500

500

脱臭効率

80

84

費用目安

臭気アセスメント 数十万円オーダー
デモテスト実施費 数十万円オーダー
装置導入費 数百万円オーダー(1000万円未満)

価格は設備仕様や使用量、噴霧条件により大きく異なります。

脱臭装置導入後の効果(データ検証)

臭気拡散シミュレーション結果

臭気の拡散図(対策前)
臭気の拡散図(対策前)※イメージ図
臭気の拡散図(対策後)
臭気の拡散図(対策後)※イメージ図

対策前のシミュレーション結果[左図]では、強い臭気(赤~黄色、臭気指数25以上)が広がっています。

一方で、対策後のシミュレーション結果[右図]では、臭気が少ない状況が示されており、対策により臭気状況が改善されると想定が出来ます。

 

装置導入後の臭気状況

臭気濃度2,500(臭気指数34)→臭気濃度500(臭気指数27)

脱臭効率 80%

 

臭気の拡散が低減し臭気苦情は無事に収まりました。

排気口規制基準値(2号基準)をクリアする事が出来ました。
(追加でダクト工事を実施し噴霧ノズルを移設したことで、基準値をクリア)

現在は消臭剤の噴霧を継続しつつ、敷地境界での臭気状況を常時モニタリングするため、ニオイセンサーの設置もご検討いただいております。

 

対策完了までの期間

ご相談をいただいてから 約1年半

ご相談内容により期間は異なります。)

まとめ

 

今回は樹脂成型工場など、ビニール素材を扱う工場での、臭気対策事例をご紹介いたしました。

臭気アセスメントにより苦情が起こりにくい条件を確認し、最適な薬剤と脱臭装置を導入した結果、苦情の解決及び排気口規制基準値(2号規制)もクリアすることが出来ました。

加えて、風向きに合わせて消臭剤の噴霧量を調整することで、コストの低減をも実現しました。

 

ニオイにお悩みの際は、ぜひカルモアにご相談ください。

 

 

<ご参考:工場の臭気対策ノウハウを説明>

工場の臭気対策とは(臭気測定・脱臭装置選定・苦情解決など)

 

導入製品・サービスについて

臭気アセスメント

臭気アセスメント(工場臭気対策)

お客様の臭気問題を、調査から対策まできっちりと確実に導くお手伝いをさせていただきます。

【ダクト排気・工場用】消臭剤シリーズ

圧倒的な消臭能力とコストパフォーマンスにより、各種産業工場で大きな支持を集めている【マイクロゲル】。2002年発売以来日本のみならず世界11か国での使用実績を誇ります。

消臭剤スプレー脱臭装置 アイキャッチ画像

消臭剤スプレー脱臭装置

小~大風量・低~中濃度臭気対策に最適な、消臭剤マイクロゲルの特徴を最大限に生かした脱臭装置です。

臭気測定(臭気判定士による臭気指数・臭気濃度測定)

人間の嗅覚によって臭気を測定するもので、いくつかの物質が混ざり合った複合臭を判定することできます。

定点式におい観測システムLIMOS(リモス)

敷地境界での臭気状況をモニタリングできる、定点式のニオイセンサー【LIMOS】。屋内に設置した親機にて、敷地内の臭気を一括して管理できます。

臭気シミュレーションシステムカルモス

においシミュレーション(臭気指数計算・悪臭苦情解決)

カルモアが独自開発したシミュレーションソフト「KaLmoSカルモス」は、においシミュレーター(環境省配布)をはるかに超える精度と現実性で、悪臭苦情の回避・解決、無駄と失敗のない脱臭装置の設計、悪臭防止法の規制対応を実現します。

導入事例

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